2020 年 1 月、前代未聞の新型ウイルスが世の中に姿を現す。 その後、人類が反応しないうちに世界中に蔓延し、「コロナウイルス (Coronavirus) 」という単語を誰もが畏れるほど名を広めた。過去には中世紀の黒死病や、世界大戦時にもスペイン風邪などあったが、今回の「コロナショック」はグローバル化が著しく進む現代だからこそ起こったことである。人と人とのつながり、経済・貿易、増して政治まで、今まで灰色のサイ( Gray Rhino ※普段はおとなしいが一旦暴走し始めると爆発的な破壊力を持つことの比喩)として存在していた弱点たちの逃げ場がなくなるほどだった。学者たちは、 2020 年をコロナ元年、それ以前をコロナ紀元前( before coronavirus, BC )、それ以後をコロナ紀元後( after coronavirus, AC )と呼んだ。 しかしそんな時代の中、人々は前進する足を止めなかった。 今までオンライン授業・リモートワークをやったことがない国々や団体も、次々と技術を進めさせ、人々を遠隔でも繋がるよう「関係を再接続」した。バーチャルの世界はいつか現実に近づくとここ数年絶えず予言されていたものが、コロナによって一気に加速し、多くのネット上の人物設定が限りなく現実の本人と等しくなってゆく。 また、マスクが売れ切れていた。 N95 マスク(米国労働安全衛生研究所の規格に合格したマスク)どころか普通のマスクも手に入らないところ、全世界各地にて新しいスタイルのマスクを研究し発売する店が次々と現れた。現在のマスクは洗って繰り返し使用できる日常品だけでなく、色や形質を選べる一つのファッションでもある。今年の ベストセラーはマスクに違いない。 ほらあ、コロナの時代も、ちゃんといいことある。 そんな時代を乗り越えてきた我々である。 これを読んでいるキミも、探検の足を止めないでほしい。 探検とは何だろうか。 これは探検業界内にて未だに議論され続けている議題である。「探検」は動詞でも名詞でもあるし、形の上の言葉でも形の下の言葉でも有りうる。 10 人に聞ける 10 個の回答を得ることもある。永遠に語られるからこそ、探検には、生も死もない、その上にいる。 キミはなぜ北海道大学
2019/09/24~09/27 L:松下 M:山口、古賀、吉田 芦別奥地にて3日ほど山に籠り、竪穴洞窟の調査をしてまいりました。 活動の様子については動画を作成したのでそちらを参照してください。 → https://www.youtube.com/watch?v=WJe9ivr4la0 ここでは今回測量した洞窟の北海道における特異性を紹介したいと思う。 ・洞窟いろいろ 一口に洞窟といっても様々な種類がある。 例えば、海波の削る力で作られた海蝕型洞窟。 登別某所のアフンルパロ洞窟 ある男が死に別れた女房と再会したという伝説が残る 例えば、落盤などで形成された崩落型洞窟。 伊達某所の百畳式洞窟 氷の柱:氷筍(通称にょろにょろ)で埋め尽くされている いろいろあるけど一番有名なのは 鍾乳洞 だと思う。 島牧某所の鍾乳洞 かつて観音菩薩が祭られていた 水に溶解する石灰岩が雨水、地下水などに長年曝されることによって形成される。石灰岩中の石灰成分が溶け出して形成されるつらら石などが特徴的だ。 そして北海道で最も長い洞窟も鍾乳洞である。見つけたのは我々北大探検部で、「 北海洞 」と名付けた。 北斗某所の北海洞 中は泥んこ しかし最も長いと言ってもその規模は日本一の洞窟と比べるととても小さい。 沖縄の鍾乳洞 鍾乳洞と言えば沖縄のガマが有名だろうか サンゴ礁=石灰岩でできている島なのでその数も多い 現存で見つかっている北海道の洞窟がどれも小規模である原因は、北海道の寒冷な気候や、石灰岩の規模や量、様々なものが考えられるが、その一つには「 単純に見つかってない 」というものがある。 例えば日本最大の岩手:安家洞は地元の人々の間では古くから親しまれていたもので、初の探検的調査ですら1951年まで遡るらしい。対し北海道最大の北海洞は発見が2006年。まだ発見されて間もない洞窟だ。 2006年9月の北海道新聞より さらに北海道の広大な敷地に対して観光地化する規模の洞窟は当麻鍾乳洞、中頓別鍾乳洞の二つくらいだろうか。 そして北大探検部でも毎年のペースで新洞窟を発見している。北海道という土地の性質上、「 北海道で最も○○な洞窟 」という、お得な称号を得やす